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【S. Mさん】ポートランド教師インターン生 2025年3月 最終活動レポート

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【S. Mさん】ポートランド教師インターン生 2025年3月 最終活動レポート

昨年の春に出発したインターン生から活動レポートが届きましたのでご紹介します!

これまでの活動レポート

インターン⽣の紹介

名前:S. Mさん
性別:女性
渡航時の年齢:24歳
渡航前の職業:中学英語教師
担当学年:8年生(中学校)
派遣時期:2024年4月
派遣エリア:ポートランド

Q&A形式 活動レポート

改めて、担当したクラス、学年を紹介してほしいのですが、各クラスや各学年の特徴、生徒の様子・雰囲気なども交えて紹介してください。

担当した学年は8年生で、年齢的には日本の中学2年生と同じです。高校進学を控えているという点では、日本の中学3年生と同じ立場となります。日本語プログラムの8年生は3クラスあるのですが、どの生徒もとても活発で、とても愛らしい生徒たちが多く、毎日生徒たちから元気をもらっていました。また、誕生日にはたくさんのメッセージや手紙をくれるような、たくさんの愛情を持った子供達に囲まれて日本語を教えること、それ以上に信頼関係を構築できることが幸せでした。授業中には、集中しているものの、時には集中力が散ってうるさくなることもありましたが、どの生徒たちも日本語を一生懸命使ったり、学んだりしていました。

担当の先生から学んだ教授法や、クラスマネージメントのコツ等を教えてください。

F先生は中学校に昨年の9月に来られて、その前は小学校でサブの先生をされていたので、日頃から生徒の私語がうるさくなった時や集中力が切れてきた頃にTPR(Total Physical Response)を授業に取り入れていたことが私にとっては新鮮で、日本で教員生活に戻る際もクラスで活用したいと思いました。通常、TPRは小学校などで言語教育の初歩段階で言語を体系的に覚えるための動作(例:先生が「頭は上」と言えば同じことを繰り返し言って手を頭に置くなど)なので、中学生に効力はあるのかと思っていましたが、TPRで呼びかけられた時に中学生の生徒たちも動きや喋りをすぐに止めて、注目の目線を先生に向けるようにしていました。特に生徒たちが中心になって授業のグループ活動をする際などにはメリハリが生まれて、生徒の集中力も向きやすいので私も活用したいと思いました。

自身がやったもので、成功した活動や指導方法を教えてください。

私がこれまでに力を入れてきたことは、漢字の部首が覚えられない生徒が多いことを踏まえ、教室の中の空いている掲示板4枚を活用して「集まれ!漢字部首の森」という部首とこれまでに習った漢字を集めていって、木を作り上げていくという視覚的にわかりやすく一体型で楽しく学習できる学習用掲示板も作ったり、クラスの中で守るべきルールを言葉だけでなく、絵も貼って生徒が明確にできるようにしたりしました。これは生徒が毎日小さなことから日本語がイマージョンされるべき場所である教室で目に入って学習に繋げられていたと思い、このイマージョン教育に私自身のアイデアを自分のスキルを活かして貢献できていたと思います。

また、言語と文化の中にある「平和」を結びつけることにも力を入れていました。私自身、英語を学ぶものとして、そして英語と日本語を教える者として、過去の歴史を知った上で言語を教えることがとても大切にしています。特に、今教えている8年生は4月に日本に修学旅行に行って、東京に行く生徒たちは空襲資料館、大阪方面に行く生徒たちは広島の平和記念公園および原爆資料館にも行くことになるので、戦争や平和について学ぶことは必要だと強く感じていたため、私自身から社会の時間に平和について授業をさせてもらえないかと依頼し、2時間平和について授業をしました。私はこのアメリカにいる間に、ハワイの真珠湾へ行って日本では習ってこなかった真珠湾の事実や平和についてさらに知識を深めたので、そこで得たことも生徒たちに話したり、実際の映像を見せたりしながら、私たちが考える「平和」とは一体何なのか、そして、言語を学ぶ私たちが大切にしないといけないことは何かを一緒に考えました。生徒たちは戦争のことについてこれまで詳しく聞いたことがないようで、目を逸らさずに真剣に話を聞き、戦争について学んだ時間を忘れないと言ってくれました。言語を学ぶ背景には過去の歴史が強く結びついているということ、そして今このような環境で第二言語を学べることのありがたみを感じてもらえたと思います。

担当の先生がやっていた中で、印象に残っている授業やアクティビティについて教えてください。

F先生も生徒たちが日本に行った時に、文化的な違いで困ることがないよう、そして文化や人々に敬意を払えるように、敬語やホームステイをした時の礼儀作法に力を入れていました。特に、畳の部屋や和風な家での立ち居振る舞い方は実際に畳と低いテーブルを持ってきて、空き教室を和室にセットアップして授業をされていました。座る時は正座、そして疲れたらそっと足を崩す、靴は揃えて脱ぐ、「失礼します」と言うこと、そして家でもレストランでもご飯を食べ終わったら皿を重ねて箸の向きを揃えることなど、生徒が日本に行ってから困らないように配慮されて授業を考えて、とても印象に残っています。文化的な面が言語に与える影響は非常に大きいと思うので、私も英語を教える際に、言語をこの言語が持つ文化的側面を考えながら授業を作成したいと思いました。

直近3ヶ月間で参加した学校内の行事やイベントを教えてください。

この3ヶ月は学校内外も毎日が多忙でした。学校の行事では、2月に社会のカリキュラムの一環で8年生と一緒にポートランド市の裁判所へ行って、実際の裁判を視聴してきました。また、札幌市の高校生が日本語プログラムの生徒たちと交流し、1日授業を受けていました。この3ヶ月間でいろいろな行事がありましたが、私にとって大きな1日は、春休み前の最後の1日、そして私の学校勤務最終日でした。たくさんの生徒たちが朝から目に涙を浮かべてきて、帰らないでくださいと何度も言われ、心が苦しくなりましたが、最終日にいつもはツンとしている中学生がこんなにも自分の感情に素直になって、気持ちを伝えることができることに驚いた一方で、本当に私はありがたいことに子供たちから愛されていたのだと実感しました。私ももちろん生徒たちのことが大好きでしたが、それ以上に私のことが大好きでいてくれたからこその反応だったのではないかと思います。また、生徒だけでなく、日本語のプログラムではない学校の先生全体からもたくさんの感謝と激励の言葉をいただきました。生徒たち、先生方からのあたたかさ、そして愛情に包まれた1日でした。また、学校外でもイベントは多くあり、親の会のオークションやFarewell&Appreciationなどでたくさんの方々と関わる機会があり、支えていただいたことに感謝を伝えることができました。

自身の業務内容、学校での役割について教えてください。最初と変化はありましたか?

私の学校での業務は、日本語と社会の授業のアシストはもちろんのこと、それ以外に学校で元気に日本語プログラムの生徒たちにも、近隣に住む生徒たちにも元気に日本語と英語で挨拶をし、声をかけることであったと思います。私の明るい声で日本語の挨拶をまったく日本語がわからない生徒にしていくことで、たくさんの生徒が次第に「おはようございます」と顔を見るたびしてくれるようになり、私に「あなたは1番の日本語の先生です」と一生懸命練習した日本語で伝えてくれるようになりました。最初に日本語の挨拶をいろんな生徒にし始めた時は、もちろんその生徒たちの顔には不思議そうな表情が浮かんでいましたが、英語で日本語の意味を教えてあげると、とても嬉しそうに挨拶をしてくれるようになったのが印象的です。日本語を少しでも身近に感じてもらったり、私の明るいエネルギーを学校全体に広められたりしたのではないかと思います。

英語力の成長を感じますか?

英語はこの1年でとても伸びたと思います。話すことに対してもう怖いと思わないで、失敗してもいい、という考えで話すことができます。以前は、英語に伸び悩んでいましたが、気が入るとどうしても間違えたことを責めたり、できない自分を認められなかったりします。そうではなく、気楽に取り組むことを意識すると、自然と力が抜けて今自分の国を抜け出して挑戦できていることを誇らしく思えるようになり、そこから英語が伸びたと思います。だからこそ、他の先生方とも一緒にご飯を談笑しながら食べたり、世間話をして楽しみながら働いたりすることができたのだと思います。日本語のプログラムに入っていない生徒たちと話すことも私の英語力を高める上で欠かせない要素だったと思います。また、日本にいるとき以上に日本語の歌を聞いたり、日本語の本を読むようになったりして、ちょうどよく英語とのバランスが取れているからか、英語と日本語をわざわざ切り替えるスイッチを入れなくても二か国の言語を話せるようになりました。ここにいる間に目標だった、英語発音指導の資格も取り終えて、自分の発音にももっと興味が湧くようになり、客観的に改善するためにはどうしたらいいかを考えられるようにもまり、これまでの英語力よりもさらに磨きがかかった気がします。

直近3ヶ月間で、ホストファミリーとは、どう過ごしていますか?

ホストとは順調に、日々笑い合いながら楽しく過ごしています。私たちが家の中で話す言語は日本語ですが、この日本語を話す環境で安心できることがこのアメリカ生活の支えだったと思います。私は考え方や思考が日本人らしくないところもあるものの、心の中は日本人なので、日本と同じような環境で生活できることが本当にありがたかったです。心が疲れたら美味しいご飯、そして大好きな焼き鮭、豆腐を食べられる環境があって本当に幸せでした。

直近3ヶ月間で、困ったことはありますか?

特にありません。日本に帰国してから、大好きなポートランドのコーヒーやセンスのいい古着にこれから頻繁にアクセスできなくなると考えると、とても困ると思います。

このプログラムを通して、ご自身が成長した点、これからの課題点や課題に感じる点を教えてください。

このプログラムでは、私が思っていた以上に指導力、言語運用能力、信頼関係の構築への自信など、あらゆる面で成長できました。昨年の4月にはこんなに成長できると思っていませんでしたが、それも悩みや葛藤を乗り越えてきたからこそ見えた光だと思っています。これからも、大好きな教育の現場で、教員として、言語学習が大好きな1人の人間として、日本の英語教育の現場に戻って励みたいと思います。これからもたくさんの壁に突き当たるかもしれませんが、その度に立ち止まって解決策を考えて、乗り越えていきたいと思います。

これからチャレンジしたいこと、やってみたいことを教えてください。

・帰国後のキャリア
高校の英語教員。帰国後は、世界に通用するような英語教師になれるように、CELTAという資格取得に励みます。また、英検一級の取得も今年度中に達成します。
・プライベート
プライベートでは、小学校の頃にずっとやっていた水泳を再度始めようと思っています。また、海が大好きなので、自分らしくいられる場所で時間を過ごして、サーフィンにも挑戦したいと思っています。アクティブに自然の中で過ごしたいです。

インターン期間中にできた新たな趣味や、みつけたお気に入りスポットなどを教えてください

古着が昔から好きだったのですが、ポートランドに来てからはもっと好きになって、ほぼ毎週末ビンテージを探しに行っていました。また、アメリカのポートランド・シアトル版の「ライトハウス」というマガジンの2月号に掲載させていただく機会をいただき、ポートランドのおすすめを書かせていただきました。コーヒーとローカルなお店でのお買い物、そして橋を渡ることが大好きです。

ライトハウス 2月号↓
https://www.youmaga.com/magazine/lighthouse_bn/lighthouse_bn0225/
※Sさんの記事は33ページ

ライトハウスブログ JWPDX ポートランド、私のお気に入り2025年https://www.youmaga.com/portland/columns/jwpdx/2025-p/

写真の共有

①親の会のオークション後の写真

②Farewell&Appreciationにて、中学校の先生方との記念撮影

③日本語クラス(1時間目)の生徒との写真

その他(感想、伝えたいことなど)

このインターンシップでたくさんの思い出と共に、自分自身も成長できる良い機会となりました。日本で渡航前からサポートをしていただいたことに心から感謝いたします。ありがとうございました。


活動レポートをご提出いただきありがとうございました!アメリカ・ポートランド教師アシスタントインターンにご興味がおありでしたら以下プログラムページをご確認ください。

アメリカ・オレゴン州ポートランド市 教師アシスタントインターンシップ
https://career-ex.com/program/29698/



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